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遺言について(後半)

こんにちは。ライフコンサルティング部の加藤です。

ライフコンサルティング部は東京都千代田区の市ヶ谷で相続・遺言に関するトータルサポートを行っております。

今回は、前回に引き続き遺言に関してお話しします。特に令和2710日から法務局にて開始されている「自筆証書遺言書保管制度」について触れていきます。

 

◆制度の概要

遺言者本人が、所定の形式どおりに作成した自筆証書遺言書を、任意の申し出により法務局(遺言書保管所)が保管する制度です。

従来の自筆証書遺言に比べ、 遺言書の紛失・隠匿・改ざんのおそれや遺言者が亡くなった後の検認が必要ないという点でメリットがあります。

ほかにも、遺言者自身は、預けている間に遺言書の内容を確認したり、返してもらったりすることもできます。相続人等は、遺言者が亡くなった後に、保管の有無や遺言書の内容を確認することができます。

 

◆保管申請の流れ

 遺言者は、まず自分で遺言書を作成します。この際、遺言書はA4の用紙に、全文の自書等決められた方式に従って記載されなければなりません。

 その後、管轄する遺言書保管所に保管の申請をします。申請は、1通あたり3,900円分の収入印紙を貼った所定の申請書に、遺言書の現物、住民票等の添付書類を添えて行います。代理人に頼むことはできず、必ず遺言者本人が出向く必要があります。手続きが完了すると保管証が発行されます。

 

◆申請後にできること

 まず、遺言者の生前は、遺言者のみができることとして、預けた遺言書の閲覧があります(原本は、実際に保管している遺言書保管所のみですが、モニターでの画像閲覧は全国どこの遺言書保管所でも可能です)。また、実際に保管している遺言書保管所に対しては、遺言書の返還の請求も可能です。

 なお、相続人にあたるべき人などは、遺言者の生前に遺言書の内容の確認をすることはできません。遺言者が寝たきりになってしまったりすると確認するすべがなくなるため注意が必要です。

 一方で、遺言者が亡くなった後は、相続人や遺言執行者等は、所定の遺言書保管所に対し、自分が当事者になるべき遺言書の保管の有無を確認し、また、保管がある場合は、その内容を閲覧したり、内容を記載した証明書を発行してもらったりできます。閲覧したり、内容の証明書を受け取ると、他の相続人等に遺言保管所から通知がされます。遺言書の現物は返還されません。

 

◆さいごに

 先述のように、遺言書保管制度を利用することで、自分で保管する自筆証書遺言書の短所はかなり補われていると言えます。ただし、やはり保管等の申請は本人でないとできないうえに、申請書を用意する手間等がかかります。また、内容の有効性などの点では、依然として、公正証書遺言の方が優れているとも言えます。どの遺言を採用するとよいかは、人それぞれですので、専門家にご相談のうえ作成することをお勧めします。

 

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