労働保険 年度更新の変更事項につきまして
こんにちは。SRコンサルティング部の横谷です。
6月1日から労働保険年度更新の申告が開始となりました。
労働保険年度更新における今年の変更事項についてご説明致します。
法改正により、令和4年4月1日~令和4年9月30日、
令和4年10月1日~令和5年3月31日での雇用保険料率が異なる事となりました。
出典:厚生労働省 PDF「令和4年度雇用保険料率のご案内」より
上記の雇用保険料率に伴い、令和4年度の雇用保険分概算保険料額の算出方法が変更となりました。
◆計算方法
①保険料算定基礎額の見込額を前期分(令和4年4月1日~令和4年9月30日)、
後期分(令和4年10月1日~令和5年3月31日)として2等分します。
②2等分した前期分と後期分保険料算定基礎額の見込額に1,000円未満の端数が生じた場合は、
前期分保険料算定基礎額の見込額を切り上げ、後期分保険料算定基礎額の見込額を切り捨てしま
す。
③前期分保険料算定基礎額の見込額に令和4年4月1日~令和4年9月30日の雇用保険料率、
後期分保険料算定基礎額の見込額に令和4年10月1日~令和5年3月31日の雇用保険料率を乗じま
す。
④算出された前期分と後期分概算保険料額に1円未満の端数が生じた場合は、この時点では切り捨
てず、前期分と後期分概算保険料額を合算して1円未満の端数が生じた場合に切り捨てを行いま
す。
一般の事業での計算例をあげますと
- ●計算例1 保険料算定基礎額の見込額が115,299千円の場合
①115,299千円を2等分しますと、57,649.5千円
②1,000円未満の端数が生じたので、
・前期分保険料算定基礎額の見込額を切り上げ ⇒ 57,650千円
・後期分保険料算定基礎額の見込額を切り捨て ⇒ 57,649千円
とします。
③前期分保険料算定基礎額の見込額:57,650千円に令和4年4月1日~令和4年9月30日の雇用保険料
率:9.500/1000、
後期分保険料算定基礎額の見込額:57,649千円に令和4年10月1日~令和5年3月31日の雇用保険
料率:13.500/1000
を乗じると、
・前期分概算保険料額:547,675.0円
・後期分概算保険料額:778,261.5円
となり、後期分概算保険料額に1円未満の端数が生じますが、この時点では端数の切り捨てを行
いません。
④前期分概算保険料額:547,675.0円 + 後期分概算保険料額:778,261.5円
= 1,325,936.5円となり、ここで1円未満の端数を切り捨てて1,325,936円とします。
- ●計算例2 保険料算定基礎額の見込額が26,158千円の場合
①26,158千円を2等分しますと、13,079千円
②1,000円未満の端数が生じないので、そのまま
・前期分保険料算定基礎額の見込額 ⇒ 13,079千円
・後期分保険料算定基礎額の見込額 ⇒ 13,079千円
とします。
③前期分保険料算定基礎額の見込額:13,079千円に令和4年4月1日~令和4年9月30日の雇用保険料
率:9.500/1000、
後期分保険料算定基礎額の見込額:13,079千円に令和4年10月1日~令和5年3月31日の雇用保険
料率:13.500/1000
を乗じると、
・前期分概算保険料額:124,250.5円
・後期分概算保険料額:176,566.5円
となり、前期分と後期分概算保険料額にそれぞれ1円未満の端数が生じますが、
この時点では端数の切り捨てを行いません。
④前期分概算保険料額:124,250.5円 + 後期分概算保険料額:176,566.5円
= 300,817円とします。
上記のように雇用保険分概算保険料額算出について、
異なる雇用保険料率での計算と端数処理が大変かと思いますが、
ご留意頂きまして労働保険年度更新の申告を行って頂けますと幸いです。
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