出産育児一時金 2023年4月から50万円に変更
こんにちは。SRコンサルティング部の三浦です。
出産育児一時金は国による保険給付の一つで、出産前後の経済的負担の軽減を主な目的としています。
【1】出産育児一時金の概要
出産育児一時金は、国民健康保険や健康保険などの被保険者かその人の被扶養者が出産(妊娠85日以上の早産、死産、流産、人工妊娠中絶を含む)した際に、一定金額が支給される制度です。
現在の支給額は原則、胎児1人につき42万円(本人支給分40万8000円、産科医療補償制度の掛金分1万2000円)ですが、2023年4月からは50万円に引き上げられることが決定しています。
【2】出産育児一時金の仕組み
出産育児一時金には「直接支払制度」があります。この制度を導入している産院で所定の手続きをすれば、市区町村や「協会けんぽ」から産院へ一時金が直接支払われるため、妊婦は多額の出産費用をあらかじめ用意しておく必要がありません。
費用が一時金を上回った場合は不足分を窓口で支払う必要がありますが、逆に下回った場合は住所地の市区町村か協会けんぽへ申請すれば、その「差額分の支給」が受けられます。なお、直接支払制度を希望しない場合は、出産後に住所地の市区町村や協会けんぽへの申請が必要です。
【3】出産育児一時金が引き上げられた理由
「出産育児一時金の2023年4月からの引き上げ」は、2022年12月10日の岸田内閣総理大臣記者会見で発表され、12月15日の厚生労働省社会保障審議会で了承されました。
厚生労働省によると、2021年の出産費用(妊婦合計負担額)は47万3315円となり、この10年間で5万7000円近くも増加しています。そのため、現在の出産育児一時金では、妊婦は5万円超も自己負担しなければいけません。国が出産育児一時金の大幅な引き上げに踏み切ったのには、このような背景が大きく関係しているようです。
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