「遺言があるのか分からない…」遺言検索システムを使った公正証書遺言の探し方
こんにちは。ライフコンサルティング部の成元です。
家族が亡くなって相続手続きを行う際、遺言の有無で必要な手続き、用意する書類が異なってきます。
しかし、被相続人が生前に遺言を残したかどうかを相続人に必ず伝えてから亡くなるとは限りません。
遺言の種類は「公正証書遺言」、「自筆証書遺言」、「秘密証書遺言」の3種類に大別されますが、今回は、『遺言検索システム』を利用した公正証書遺言の探し方について解説します。
- 『遺言検索システム』とは?
1989年1月1日以後に作成されている公正証書遺言はデータで保管されており、日本公証人連合会が公開している遺言検索システムを利用することで、遺言書の有無を調べることができます。
- 利用できるのは関係者のみ
遺言検索は、相続人や受遺者、遺言執行者など、その遺言者の相続の関係者か、その関係者から委任された代理人のみ利用できます。
遺言検索システムの利用者は、公証役場で遺言者との関係性を証明する書類の用意が必要です。
- 遺言検索の利用に必要な書類
相続人や受遺者が遺言検索システムを利用する場合、以下の書類を用意しましょう。
・遺言者の死亡を証明する書類
例:死亡届、除籍謄本、埋葬許可証 など
・遺言検索システムを利用する人と遺言者の関係を証明する書類
例:利用者(相続人)の戸籍謄本、遺言者の改製原戸籍謄本 など
・利用者の本人確認書類
例:パスポート、運転免許証、マイナンバーカード など
代理人の場合には、相続人からの委任状と代理人の本人確認書類も必要です。
- 最寄りの公証役場にて遺言検索
必要書類が揃ったら、最寄りの公証役場に電話し、事前に訪問予約をしてから訪問しましょう。
遺言検索にかかる所要時間は約30分程度です。
遺言検索システムを利用した結果、公正証書遺言の作成履歴があった場合には、遺言作成日・証書番号・遺言作成役場・作成公証人などの情報が記載された通知書が交付されます。
ただし、公正証書遺言の閲覧や謄本の請求ができるのは、作成した公証役場のみとなりますので、注意が必要です。
なお、遺言検索システムは無料で利用することができますが、公正証書遺言の閲覧や謄本の交付を受ける際には有料となります。
- 遺言を残すなら公正証書遺言で
公正証書遺言であれば、遺言検索システムを利用することで探すことができますが、自筆証書遺言だと被相続人がどこに保管していたか分からず、探しても見つからない可能性があります。
秘密証書遺言は、公正証書遺言と同様に公証役場で保管しますが、遺言作成時に内容を本人以外確認しないため、法的に有効でない文章で記載されている可能性があり、実際の手続で通用しない可能性もあります。もし遺言を残すなら、内容を公証人が確認し、公証役場で保管する公正証書遺言にするのがお勧めです。
今回は公正証書遺言の検索システムを利用した遺言検索を取り上げました。
これらのお手続きに関する手続き代行も承っておりますので、ご相談はぜひ弊社までお気軽にお問い合わせくださいませ。