「サラリーマンの副業の確定申告と住民税」
こんにちは。アカウンティングサービス(AS)の内田です。
現在コロナ禍の中、働き方が多様化し副業によって収入を増やしたいと考えている方も
多いのではないでしょうか。
厚生労働省も「働き方改革実行計画」を踏まえ、副業・兼業を行う環境整備の促進を
後押ししています。 副業を認める会社も徐々には増えてきてはいますが、未だ副業を
禁止している会社が大多数です。
副業を会社には知られたくないと思いつつも、どのような場合に会社が知ることになるのか?
今回は副業の確定申告と住民税の関係を見ていきたいと思います。
◇サラリーマンの副業
副業として考えられるのが、 勤務後や土日にコンビニ、飲食店などでのアルバイトなどが
あります。これらは「給与所得」なります。
この他には、 UBEREATSの宅配、自分の特技を活かした仕事などの「事業所得」※1
所有してる不動産を貸付賃貸収入を得る「不動産所得」
株式投資などの「譲渡所得」
仮想通貨やFXなどの「雑所得」があります。
※1 事業性のあるもの。無いものは雑所得となります。
このような所得を得た場合、原則的には確定申告を行い、ご自身の所得税が計算され、
この確定申告の内容を基に個人住民税(以後、住民税)が計算されます。
◇住民税について
住民税とは、都や区市町村が行う住民に対する行政サービスに必要な経費を、
住民の方々に広く分担してもらうもので、住民税は前年度の所得を基に課税されます。
課税された住民税の納付方法には特別徴収と普通徴収があります。
特別徴収(原則)・・・事業主(給与支払者)が従業員に(納税義務者)に代わり、毎月
給与から個人住民税を差し引きし納入する制度です。
市区町村から決定通知書が会社に郵送されます。
普通徴収・・・住民税を従業員本人が市区町村へ納める制度です。
市区町村から決定通知書が従業員本人の自宅に郵送されます。
企業は地方税法上、従業員の住民税は特別徴収によって給与から天引きをしなくては
いけません。
そのため、従業員個人の住民税額を知る必要があります。
○住民税の決定通知書 住民税の決定通知書とは、前年度の所得金額から作成された
道府県民税と市町村民税(東京23区は特別区民税)の金額を通知する書類になります。
決定通知書の内容は大まかに以下の内容が記載されています。
1. 前年(1月~12月)までの収入額・所得控除額
2. 住民税の計算額
3. 6月~翌年5月までの住民税の金額
※住民税は原則、特別徴収によって納付を行うため、住民税決定通知書が会社へ届き、
記載された住民税額が、従業員に支給した給与を基にした住民税より、金額が多すぎたり
少なすぎることで知られることが多いようです。
確定申告を行うと、副業をしているかを必ず会社に知られるかというとそうではありません。
そこで確定申告をする際の、副業に係る住民税を普通徴収に選択する方法をご説明します。
◇副業に係る住民税を普通徴収にするには
①給与所得以外による副業
給与所得以外による副業の場合は確定申告二表の「給与、公的年金等以外の所得に係る
住民税の徴収方法」を「自分で納付」に選択することにより給与所得以外に係る住民税分のみが
普通徴収として納付することが可能です。
よって、不動産所得や雑所得等に係る住民税は会社にではなく、ご本人に通知され納付をする
ことになります。
②給与所得による副業
コンビニでのバイトなど副業の収入が給与にあたる場合は、①の選択ができるようになって
いません。
住民税の支払方法を「自分で納付」にしても、原則特別徴収として取り扱うこととなりますが、
自分で納付することが可能か、まずはお住いの自治体に確認してみることが良いかと思います。
◇2か所以上給与の確定申告
「給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、
年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)
との合計額が20万円を超える」場合は確定申告が必要になります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm
会社に知られたくないので所得があるのに確定申告を行わないと払いすぎている
所得税を取り戻せないなどの不都合が生じたりします。
また、副業で得た給与収入は、アルバイト先から給与支払報告書がお住いの市区町村に
提出されることが原則となっています。
そこから思わぬトラブルを招く恐れがあるので、正しく申告されることをお勧めします。
副業としてアルバイトなどをしたいと考えている方は、まずは会社にご相談されることが
よいのではないしょうか。
※確定申告に関するお悩みご相談がありましたらOAGへお気軽にお問い合わせください。