2024年12月、健康保険証が廃止へ。人事労務担当者が知っておくべきマイナ保険証について
こんにちは、SRコンサルティング部の髙野です。
いよいよ2024年12月2日から、現行の健康保険証が廃止となり、マイナ保険証に一本化されます。
改めて、マイナ保険証の概要や企業の人事労務担当者が知っておくべきポイントを一緒におさらいしましょう。
【マイナ保険証の概要】
<そもそもマイナ保険証とは?>
マイナ保険証とは、「マイナンバーカードを健康保険証として利用登録したもの」です。
2016年1月から運用が始まったマイナンバーカードは、個人番号(マイナンバー)が記載された顔写真付のICカードのことです。
マイナンバーカードは、本人確認のための身分証明書や個人番号を証明する書類として利用することができ、さまざまな行政サービスを受けることができます。
※マイナ保険証を利用することで、以下のメリットもあります
(出典)厚生労働省『マイナンバーカードの健康保険証利用のメリット』
【企業の人事労務担当者が知っておくべきこと】
※協会けんぽ以外の健康保険組合に加入している企業は、各健康保険組合へお問い合わせください。
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ポイント1. 従業員への「資格情報のお知らせ」の配布と周知
「資格情報のお知らせ」とは、スムーズに健康保険の手続をするための書類です。
健康保険の被保険者である従業員宛(およびその被扶養者宛)に企業経由で届きます。
①送付対象者
健康保険の被保険者である従業員全員およびその被扶養者
(日雇特例被保険者およびその被扶養者を除く)
②送付時期
健康保険の加入時期に応じて2回に分かれて届きます。
③送付方法
被保険者宛および被扶養者宛の封筒がまとめて企業に届きます。
特定記録郵便で送付される予定です。
④送付されるもの
・資格情報のお知らせ
・説明チラシ
・マイナ保険証説明チラシ
なお、協会けんぽ側で個人番号の登録ができていない従業員には、マイナンバー登録申出書と返信用封筒も同封されます。
(出典)協会けんぽ『資格情報のお知らせ及び加入者情報(マイナンバー下4桁)の送付等について』P6
- (1)従業員に封筒を配布する
被保険者宛および被扶養者宛の封筒を従業員に配布します。
(出典)協会けんぽ『資格情報のお知らせと加入者情報(マイナンバーの下4桁)の配布をお願いします。』
- (2)従業員に「資格情報のお知らせ」について説明を行う
(1)で従業員に封筒を配布するとともに、「資格情報のお知らせ」について説明します。
記載内容の確認も行うよう周知してください。
(出典)協会けんぽ『資格情報のお知らせ及び加入者情報(マイナンバー下4桁)の送付等について』P4
【上段:資格情報の確認】
健康保険の資格情報を確認してください。
【中段:個人番号(マイナンバー)下4桁の確認】
医療保険のデータベースに登録されている個人番号の下4桁が表示されています。
正しい番号が表示されているか確認してください。
【下段:「資格情報のお知らせ」の保管】
2024年12月2日以降、給付金等の申請や医療機関等の受診時に利用できます。
切り取って大切に保管してください。
「資格情報のお知らせ」は、マイナ保険証とセットで提示することにより、カードリーダーが利用できないときにも保険診療が可能となります。
【マイナ保険証、資格確認書、資格情報のお知らせの違い】
健康保険証の廃止後、医療機関等を受診するときは「マイナ保険証」「資格確認書」「資格情報のお知らせ」の3種類のカードのいずれかを利用します。
その違いは以下のとおりです。
(出典)協会けんぽ『健康保険証とマイナンバーカードの一体化(マイナ保険証)に関する制度のポイント』P7
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ポイント2.社会保険の手続、その他の対応について
2024年12月2日以降の企業の対応について、人事労務担当者は以下の内容を理解しておきましょう。
- 資格取得、被扶養者の異動(該当)があったとき
①資格確認書の申請
従業員が資格確認書の発行を希望する場合、資格取得届の提出とあわせて資格確認書の申請も行います(資格取得届に資格確認書の希望有無欄が追加される予定)。
②健康保険証について
健康保険証は発行されません。
代わりに「資格情報のお知らせ」が交付されます(申請は不要です。)
③その他注意事項
届出時に誤った個人番号を記載した場合、従業員がマイナ保険証を利用して医療機関等を受診したときに支障が出る可能性があるため注意してください。
- 資格喪失、被扶養者の移動(非該当)があったとき
今後は従業員からの健康保険証の回収が不要となります。
また、資格確認書には4~5年の有効期間があります。
資格確認書が発行されている場合、資格喪失や被扶養者の異動(非該当)が有効期間内のときは資格確認書の回収が必要です(有効期間後は自己破棄も可能)。
- 在籍している従業員の健康保険証
2024年12月2日以降も引き続き被保険者である従業員の、健康保険証の取扱いは以下のとおりです。企業が健康保険証を回収する必要はありません。
①1年間の経過措置
経過措置として、2025年12月1日までの1年間、退職などで資格喪失にならないかぎり現行の健康保険証が利用できます(その場合、②の自己破棄はしないよう注意してください)。
②自己破棄可能
2025年12月2日以降、現行の健康保険証は従業員自身で破棄しても差し支えありません。
(出典)協会けんぽ『【事業所ご担当者様用】健康保険証とマイナンバーカードの一体化(マイナ保険証)に関する制度説明資料』P7
- 保険証の再発行について
①健康保険証
2024年12月2日以降は再発行されません。そのため企業による再発行の手続はなくなります。
②マイナ保険証
万が一紛失した場合、従業員自身が利用一時停止を行ってください。
利用一時停止の受付:24時間365日フリーダイヤル(0120-95-0178)
参考|デジタル庁『よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用について』Q6
おわりに
健康保険証の廃止前後は、人事労務担当者への問い合わせが増えることも予想されます。
なかには、マイナンバーカードを持っていなかったり、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録していない従業員もいるかもしれません。
義務ではないため強制はできませんが、登録を忘れている従業員などに対して案内をするなど、一本化に向けた準備を進めておくことをおすすめします。
OAG社会保険労務士法人では、人事・労務相談全般をお受けいたします。
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